Intel SSD 520 Series 240GB 高負荷ベンチマーク結果&チューニングTips

Intel-SSD-520-Series

Intel SSD 520 Series 240GB 高負荷ベンチマーク結果&チューニングTips高いI/O負荷を連続して掛けた時に各社のSSDがどのような性能特性を示すか、ベンチマークツールを利用して計測していきます。

今回はIntel SSD 520 Seriesの240GBモデルが検証対象です。コンシューマー向けに販売されるインテル製SSDの中ではフラグシップモデルに位置付けられる上位の製品です。

Intel SSD 520 SeriesはSandForceコントローラー「SF-2281VB1-SDC」を搭載しており、圧縮アルゴリズムを活かした高速なスループット性能を誇ることから「直線番長」「0fill番長」等とも揶揄される製品ですが、read/writeが混在する高負荷I/Oが30分以上継続した時にも実力を発揮できるでしょうか。

今回の検証では、ベンチマークツールにOracle社が無償で提供する「Oracle ORION」を利用して、NTFSファイルシステムのアロケーションユニットサイズとベンチマークツールが発行するI/Oブロックサイズを調整しながらI/O性能の計測を行いました。SSDのチューニングやシステムのIOPSプランニング時に参考となれば幸いです。

SSD製品の公式仕様・実売価格

今回はIntel SSD 520 Seriesの240GBモデルを使います。コンシューマー向けに販売されるインテル製SSDの中ではフラグシップモデルに位置付けられる上位の製品です。(※ 実売価格は2013年6月現在)

Product
Name
CapacityRead IOPS
(Rand. 4KB)
Write IOPS
(Rand. 4KB)
実売価格
(税・送料込)
SSDSC2CW480A3K5480GB50,00050,000¥51,430
SSDSC2CW240A3K5240GB50,00080,000¥24,540
SSDSC2CW180A3K5180GB50,00080,000¥19,810
SSDSC2CW120A3K5120GB25,00080,000¥14,830
SSDSC2CW060A3K560GB15,00080,000¥9,390
  • コントローラ : SandForce SF-2281VB1-SDC
  • インターフェース : SATA3 6Gb/s(SATA2 3Gb/s対応)
  • Nand Type : 25nm MLC NAND Flash
  • フォームファクター : 2.5 inch SATA
  • 本体サイズ : L 100.45mm × W 69.85mm × H 7.0mm
  • 本体重量 : 78g(240GBモデル 本体実測 82.7g)
  • 消費電力 : アクティブ時 0.85W、アイドル時 0.60W
  • 付属品 : SATA3 6Gb/s対応ケーブル、ノーマル4pin – SATA15pin電源変換ケーブル、3.5インチ変換マウント用金具、CD-ROM、SPEED DEMONシール
  • 保証期間 : 5年
  • MTBF : 1,200,000時間(約137年)
  • Made in China

検証環境・ベンチマーク実行手順

ハードウェア環境
  • Lenovo IdeaCentre K430
    Core i7-3770 3.4GHz 8MB L3 DMI 5GT/s
    PC3-12800 4GB * 2
    Intel Z75 Express チップセット
    SATA 3 (6.0 Gb/s)
  • Intel SSD 520 Series 240GB (SSDSC2CW240A3K5)
    Firmware Version : 400i
ソフトウェア環境
  • Windows 7 Home Premium Edition SP1 [6.1 Build 7601] (x64)
    Filesystem : NTFS 3.1 (5.1)
  • Oracle ORION 10.2.0.1.0
ベンチマーク実行手順・検証パターン

ORION高負荷ベンチマーク実行手順 – SSD 240GB級

Intel SSD 520 Series 240GB 高負荷ベンチマーク結果

I/Oブロックサイズの変更による速度比較

IOPS
Oracle-ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_Intel-SSD-520-Series-240GB_Windows7_01
 
Latency
Oracle-ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_Intel-SSD-520-Series-240GB_Windows7_02
 
MB/sec(Large IO size : 1024 KB)
Oracle-ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_Intel-SSD-520-Series-240GB_Windows7_03
 

ベンチマーク結果考察
  • 今回のベンチマーク結果からは、通常使用ではアロケーションユニットサイズ「4KB」を推奨する。本製品は「4KB」でのI/Oに最適化されていると推測される。動画倉庫等、大きなサイズのファイルを保存する用途では、アロケーションユニットサイズは「16KB」でも良い。
  • I/Oブロックサイズ1KBと8KBを比較してもIOPS値・Latency値に大きな変化は見られない。Intel SSD 520 Seriesのページサイズは公表されていないものの、今回のベンチマーク結果からは「8KB」である可能性が高いと考えられる。
  • I/Oブロックサイズを4KBから2KBや1KBに変更することで、IOPS値・Latency値が逆に悪くなっており、積極的に採用するチューニング方法にはなり得ない。
  • large I/O時のスループットでは、アロケーションユニットサイズ1KBから16KBまでほぼ同等のMB/sec値を記録している。計測回によってスループット性能にブレが生じることがなく、高い性能を発揮し続けている。この安定したスループット性能は、SF-2281コントローラー搭載のIntel SSD 520 Seriesが持つ最大の特徴である。

他SSD製品とのベンチマーク結果比較

IOPS(Small IO size : 4 KB) ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_SSD-240GB-Class_2013-Autumn_01

Latency(Small IO size : 4 KB) ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_SSD-240GB-Class_2013-Autumn_02

MB/sec(Large IO size : 1024 KB) ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_SSD-240GB-Class_2013-Autumn_03


CrystalDiskMark ベンチマーク結果

アロケーションユニットサイズ 4KB
ディスク使用領域 0GB
アロケーションユニットサイズ 4KB
ディスク使用領域 200GB
CrystalDiskMark_IdeaCentre-K430_Intel-SSD-520-Series-240GBCrystalDiskMark_IdeaCentre-K430_Intel-SSD-520-Series-240GB_200GBfile

 

ベンチマーク結果考察
  • ディスク使用領域200GB時にCrystalDiskMarkの計測値が落ち込まない点は注目に値する。なお、520 Seriesの後継となる530 Seriesでは、ディスク使用領域200GB時にRead性能が落ち込む事象を確認している。同じSandForceコントローラーSF-2281シリーズを搭載する両製品で、このような性能特性の差が生じる理由は不明である。
    (参考 : Intel SSD 530 Series 240GB 高負荷ベンチマーク結果&チューニングTips

240GB級SSDベンチマーク結果

東芝SSD HG5d 256GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD DC S3500 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD 730 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD 530 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD 520 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD 335 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
PLEXTOR PX-256M5P 256GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Samsung SSD 840 PRO 256GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
SSD I/Oブロックサイズの調整によるチューニング効果検証 (DC S3700編)
SSD I/Oブロックサイズの調整によるチューニング効果検証 (東芝THNSNS240GBSP編)