ITIL V3ファンデーション資格認定試験 対策勉強法
ITIL V3ファンデーション資格の取得を目指す方向けに、ITIL V3ファンデーション資格認定試験の概要と対策勉強法を紹介します。
ITILファンデーション資格の試験対策に役立つ参考サイトを厳選したリンク集 も用意していますので、こちらもどうぞご活用下さい。
ITILとは
ITILとは、ITサービスの運用管理業務に関するベストプラクティス(推奨案・実践例)が掲載されている書籍群です。1989年にイギリスの政府機関によって公開されて以来、ITサービス運用のデファクトスタンダードとして進化を続けており、2012年時点では「ITIL V3」が最新バージョンになっています。
日本国内でも2005年頃から「ITIL V2」が注目を集めるようになりました。2012年時点では、多くのシステムでITILの書籍群が参照され、ITILの定義する概念やフレームワークに基づいてITサービスの運用管理業務が実施されています。
「ITIL V3」の資格認定制度
「ITIL V3」の資格認定制度では、ITILの公式認定機関である「APM Group」が公開する次の図が示すように、最上位の「ITILマスター」から「ITILエキスパート」「ITILインターミディエイト」、そしてITILの入門資格に位置付けられる「ITILファンデーション」まで、4段階の認定レベルが定義されています。
各認定レベルのトレーニングや資格認定試験は、ITILの公式認定機関である「APM Group」から権限を与えられた認定トレーニング機関・試験実施機関が実施します。日本国内での試験実施機関としては、本拠をオランダに置く「EXIN」が有名です。
ITILファンデーション試験の概要・難易度
ITILファンデーション資格認定試験が求めるレベルは、「ITILが定義する基本的な概念・用語を理解していること」です。はっきり言うと、合格の難易度はそれ程高くありません。
Foundation Certificate in IT Service Management (ITILファウンデーション資格認定試験)
試験時間:60分
試験問題:40問、4択の選択式、日本語
合格ライン:正答率 65%以上(26問以上正解で合格)
合格率:7割以上(筆者の推定)
受験料:20,160円(税込)
ITILファンデーション資格を取得するメリット
上述の通り、ITILファンデーション試験が求めるレベルは、「ITILが定義する基本的な概念・用語を理解していること」です。従って、ITILファンデーション試験に合格して資格を取得することによって、
- 顧客や他社のエンジニアから「ITILが定義する基本的な概念・用語に基づいて会話ができる担当者」であることを認識してもらうことができる。
- ITILで定義された用語を基に顧客や他社のエンジニアと共通の用語でコミュニケーションすることができる。
ITILファンデーション資格を取得するメリットはこの2点に尽きると筆者は考えています。
ITILファンデーション試験 合格への道筋
研修+受験コース
認定教育機関が実施する平均2日間程度の研修を受講して、研修後の試験で合格を目指す方法です。研修の直後に受験できるというメリットもあり、筆者がこのコースを受けた際に周りの状況を見渡した感じでは、受講者の合格率はおそらく7割以上であったと思われます。
ITILファンデーション試験は、ITILの基本概念やITILで定義される各プロセスの目的・役割を理解しているかについて確認することを目的とした認定試験であり、はっきり言うと、合格の難易度はそれ程高くありません。(当然、研修受講者の多くがシステム開発・運用を主要な業務としているので、この分野の勘所が無い方にとっての難易度は、また少し違ったものになるのでしょうが。)
いずれにしても、研修の内容を一通り理解して、重要な用語をきちんと押さえておけば、合格は決して難しいものではないと思います。確実に合格を手にするために、本サイトで紹介している 参考サイト の情報には研修前に目を通しておくことをお勧めします。
独学+受験コース
参考書籍や試験対策本 を使って学習を進め、プロメトリック社等の試験実施会社に申込みを行ってコンピュータ試験を受験する方法です。
最近では手頃な価格で手に入るITIL関連の参考書籍やITILファンデーションの試験対策本も増えてきており、こちらのパターンで合格を目指す方にとっても随分と敷居が下がっていると思います。
学習方法については、Web上の 参考サイト の情報でもある程度の知識を得ることはできるのですが、学習効率の面から考えても1冊は参考書籍を購入されることをお勧めします。ITIL関連の書籍には10,000円以上する高価なものもありますが、ITILファンデーションの合格が目的であれば、ITIL基本分野の解説とITILファンデーション試験の対策・練習問題がまとめられた2,000円~3,000円の試験対策本が1冊あれば十分だと思います。筆者お勧めの ITILファンデーション資格向けの試験対策本 を紹介していますので、こちらも参考にして下さい。
システム開発・運用の経験がある方や、シスアドとして利用者側からシステムに携わる立場の方が参考書籍を使って独学される場合、学習時間としては15時間程度を見ておければ十分ではないでしょうか。
ITILファンデーション試験 受験対策のポイント
ITILファンデーション試験を受験するにあたって、知っておいて頂きたいポイントを挙げます。
- 次の「サービスサポート」分野からの出題が6割以上を占めるため、重点的に勉強しておくべき。
- サービスデスク
- インシデント管理
- 問題管理
- 変更管理
- リリース管理
- 構成管理
- 「自分がITILに何を期待するか」、「自分の職場でどのようなシステム運用管理を行っているか」ではなく、「ITILでどう定義されているか」が問われることに注意する。
- ITILにおける各プロセスの役割を理解しておく。「~はどのプロセスで行われるべきか?」、「~はどのプロセスに関係するか?」という出題が多い。
- ITILにおける各用語の定義を正確に把握しておく。
「ITILファンデーション 模擬試験問題集&解説」のページには、試験問題のサンプルを掲載しています。まずはこちらのページで試験問題のイメージを掴んで下さい。
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