PLEXTOR PX-256M5P 256GB 高負荷ベンチマーク結果&チューニングTips

PLEXTOR-PX-M5P

PLEXTOR PX-256M5P 256GB 高負荷ベンチマーク結果&チューニングTips高いI/O負荷を連続して掛けた時に各社のSSDがどのような性能特性を示すか、ベンチマークツールを利用して計測していきます。

今回はPLEXTOR M5Pro(前期型・BGAタイプ)の256GBモデルが検証対象です。プレクスター製SSDの中でフラグシップモデルに位置付けられる最上位の製品です。

PLEXTOR M5Proシリーズは、“サーバグレード”と位置付けられるMarvell 88SS9187コントローラーと512MBのキャッシュメモリの組み合わせによって、10万IOPSという高速なランダムアクセス性能を謳う意欲的なSSD製品ですが、read/writeが混在する高負荷I/Oが30分以上継続した時にも実力を発揮できるでしょうか。

今回の検証では、ベンチマークツールにOracle社が無償で提供する「Oracle ORION」を利用して、NTFSファイルシステムのアロケーションユニットサイズとベンチマークツールが発行するI/Oブロックサイズを調整しながらI/O性能の計測を行いました。SSDのチューニングやシステムのIOPSプランニング時に参考となれば幸いです。

製品仕様

PLEXTOR M5Pro の公式仕様・実売価格

今回はPLEXTOR M5Pro(前期型・BGAタイプ・ページサイズ8KB)の256GBモデルが検証対象です。プレクスター製SSDの中でフラグシップモデルに位置付けられる最上位の製品です。

なお、2013年6月時点で入手可能な製品は、後期型のPLEXTOR M5Pro Xtreme(TSOPタイプ・ページサイズ16KB)になります。仕様変更によって、前期型と後記型の性能特性が若干異なっている可能性もあるのでご注意下さい。

Product
Name
CapacityRead IOPS
(Rand. 4KB)
Write IOPS
(Rand. 4KB)
実売価格
(税・送料込)
PX-512M5P512GB100,00088,000¥45,390
PX-256M5P256GB100,00086,000¥26,980
PX-128M5P128GB92,00082,000¥12,000
  • コントローラ : Marvell 88SS9187
  • インターフェース : SATA3 6Gb/s(SATA2 3Gb/s対応)
  • Nand Type : TOSHIBA 19nm toggle MLC NAND Flash
  • フォームファクター : 2.5 inch SATA
  • 本体サイズ : L 100.0mm × W 70.0mm × H 7.0mm
  • 本体重量 : 75.0g(256GBモデル 本体実測 57.8g)
  • 消費電力 : アクティブ時 0.25W
  • 付属品 : 3.5インチ変換マウント用金具
  • 保証期間 : 5年
  • MTBF : 2,400,000時間(約274年)
  • Made in Taiwan

検証環境・ベンチマーク実行手順

ハードウェア環境
  • Lenovo IdeaCentre K430
    Core i7-3770 3.4GHz 8MB L3 DMI 5GT/s
    PC3-12800 4GB * 2
    Intel Z75 Express チップセット
    SATA 3 (6.0 Gb/s)
  • PLEXTOR PX-256M5P 256GB(前期型・BGAタイプ)
    Firmware Version : 1.02
ソフトウェア環境
  • Windows 7 Home Premium Edition SP1 [6.1 Build 7601] (x64)
    Filesystem : NTFS 3.1 (5.1)
  • Oracle ORION 10.2.0.1.0
ベンチマーク実行手順・検証パターン

ORION高負荷ベンチマーク実行手順 – SSD 240GB級

【補記事項】
ベンチマーク実行手順の「Secure Erase」の箇所は、Plextoolで「Secure Format」を実行した。
PX-256M5Pでは、アロケーションユニットサイズ1KBと2KBのフォーマットが失敗するため、最小のアロケーションユニットサイズを4KBにして検証した。

PLEXTOR PX-256M5P 256GB 高負荷ベンチマーク結果

I/Oブロックサイズの変更による速度比較

IOPS
Oracle-ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_PLEXTOR-PX-256M5P-256GB_Windows7_01
 
Latency
Oracle-ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_PLEXTOR-PX-256M5P-256GB_Windows7_02
 
MB/sec(Large IO size : 1024 KB)
Oracle-ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_PLEXTOR-PX-256M5P-256GB_Windows7_03
 

ベンチマーク結果考察
  • 今回のベンチマーク結果からは、通常使用ではアロケーションユニットサイズ「4KB」を推奨する。本製品は「4KB」でのI/Oに最適化されていると推測される。動画倉庫等、大きなサイズのファイルを保存する用途では、アロケーションユニットサイズは「16KB」でも良い。なお、PLEXTOR M5Proシリーズ(前期型・BGAタイプ)のページサイズは「8KB」であることが公表されている。
  • 1スレッドでの負荷生成時から最大6,235IOPSを発揮している。また、最少0.15msecというLatency値の低さは特に注目に値する。PLEXTOR M5Proは、搭載する512MBのキャッシュDRAMによって高速なI/O応答性能を実現していると考えられる。この性能特性は、同じく512MBのキャッシュDRAMを搭載するSamsung SSD 840 PRO Seriesと類似している。
    (参考 : Samsung SSD 840 PRO 256GB 高負荷ベンチマーク結果&チューニングTips
  • I/Oブロックサイズ8KBでは9スレッド以上での負荷生成時から、I/Oブロックサイズ16KBでは7スレッド以上での負荷生成時から、それぞれIOPS値・Latency値が大きく悪化している。この計測結果より、キャッシュDRAMの恩恵を受けられる限界点が存在することが分かる。
  • large I/O時のスループットでは、最大64.9MB/secの性能差を計測した。予想通りではあるが、全体的にアロケーションユニットサイズが大きい方がスループット性能が向上する傾向が見て取れる。

他SSD製品とのベンチマーク結果比較

IOPS(Small IO size : 4 KB) ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_SSD-240GB-Class_2013-Autumn_01

Latency(Small IO size : 4 KB) ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_SSD-240GB-Class_2013-Autumn_02

MB/sec(Large IO size : 1024 KB) ORION_BenchmarkResults_IdeaCentre-K430_SSD-240GB-Class_2013-Autumn_03


ベンチマーク結果考察
  • 現行製品最速クラスのランダムアクセス性能(IOPS値・Latency値)を発揮するIntel SSD DC S3700 Seriesに対して、PLEXTOR M5Proはランダムアクセス性能で対抗し得る唯一の存在である。両製品の価格差は2倍以上あるため、「IOPS単価」という観点で見るとPLEXTOR M5Proは非常にコストパフォーマンスが高く、魅力的なSSD製品であると言える。
    (参考 : SSD I/Oブロックサイズの調整によるチューニング効果検証 (DC S3700編)

CrystalDiskMark ベンチマーク結果

アロケーションユニットサイズ 4KB
ディスク使用領域 0GB
アロケーションユニットサイズ 4KB
ディスク使用領域 200GB
CrystalDiskMark_IdeaCentre-K430_PLEXTOR-PX-256M5P-256GBCrystalDiskMark_IdeaCentre-K430_PLEXTOR-PX-256M5P-256GB_200GBfile

 

ベンチマーク結果考察
  • CrystalDiskMarkでの計測結果では、read 506MB/sec、write 445MB/secを確認した。しかしながら、read/writeが混在する高負荷I/Oが30分以上継続するORIONベンチマークでは、180~258MB/secのスループット性能に留まっている。この例が示すように、SSDの評価においては「瞬発力」と「持久力」の違いを意識する必要がある。

240GB級SSDベンチマーク結果

東芝SSD HG5d 256GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD DC S3500 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD 730 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD 530 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD 520 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Intel SSD 335 Series 240GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
PLEXTOR PX-256M5P 256GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
Samsung SSD 840 PRO 256GB 高負荷ベンチマーク速度比較結果
SSD I/Oブロックサイズの調整によるチューニング効果検証 (DC S3700編)
SSD I/Oブロックサイズの調整によるチューニング効果検証 (東芝THNSNS240GBSP編)

参考になるサイト

リンクスインターナショナル – PX-256M5P
リンクスインターナショナル – Plextor SSD M5P/M5Pro Xtremeシリーズの仕様変更について
エルミタージュ秋葉原 – NANDフラッシュ変更の影響を探る。PLEXTOR「M5 Pro」「M5 Pro Xtreme」徹底検証